受賞論文

計533点のご応募をいただき、誠にありがとうございました。
ここに受賞論文をご紹介いたします。

最優秀賞

「生成AIを活用したソーシャルスキルトレーニング」

笹野 達哉

相手の表情や気持ちを理解するのが難しい子どもの場合、ソーシャルスキルトレーニングなどを行い、自分の気持ちや置かれた状況を理解し、実際の場面で相手に的確に伝える訓練を行わないといけない。相手がいないと成立できない訓練も多いためChatGPTを使った練習方法を提案する。

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優秀賞

「教師の英語力をChatGPTを用いて鍛える」

加藤 心

「教師の英語力」は、我々教師の前に立ちはだかる壁である。その壁を乗り越える超効率的な英語学習を提案する。ChatGPTを用いた、教師のための英語学習法である。この英語学習法の目的は「どんな英単語や英語表現が使われるのかを短期間で知り、使えるようにすること」である。

「歴史的事象を要約させる活動においてChatGPTを活用することによって自らの意見を修正・改善させる」

川村 護

文章生成AIのChatGPTを活用することにより、生徒自ら歴史的事象の要約が適切かどうかを判断することができ、場合によっては修正したり、より良い構成となるように試行錯誤したりできるかを検証した。
その結果、生成された文章をもとに検討を重ね、自らの文章を修正・改善するとともに、批判的思考力を身に付けることにつながった。また、AIは自らの表現を助ける「道具」であるという意識も醸成された。

特別賞

「生成AIを活用して、子供が熱中する学習ゲームを開発する」 

村上 睦

学習ゲームの開発には、プレー環境に制限があることや、開発者のプログラミングスキルの不足などの問題点がある。そこでChatGPT等の生成AIを活用して、ブラウザ上で動作する学習ゲームを開発したところ、生徒が熱中して取り組むゲームとなった。実際の開発プロセスに沿って、ゲームの基本画面作成からバトル要素の追加、熱中する要素の導入などについて紹介する。

「俳句の一人学習を進めるためにChatGPTを取り入れる」

三浦 よう子

担任している特別支援学級では、1、4、5年生が一緒に国語を学ぶ。5年生の児童には、あらかじめタブレットで指示・発問を示しておき、児童1人で学習を進める形で行っている。俳句の情景文を書く学習で、ChatGPTが生成した文章と自分の文章を比べることで児童の学習意欲が向上し、学習に積極的に取り組めるかどうかを検証した。

「行事のあいさつ指導にChatGPTを活用して生成AIとの上手な付き合い方を教える
 ~生成AIのメリットとデメリット~」

澤田 智志

学校行事の指導に「ChatGPT」を活用する方法を紹介する。運動会の児童代表あいさつを考える場合、時間短縮や効率化、アイデア参照のメリットがある。児童たちはChatGPTの活用により、あいさつ文の作成を学び、著作権についての考えを深めた。最終的には、生成AIを参考にしつつ、自分たちの言葉で推敲することで、より良いあいさつ文が完成した。

佳作

「酒井式 生成AIの参考作品を活用することでアートの多様性が増す」

寺田 真紀子

図工では、子どもに「あんな絵を描いてみたい」と思わせるために、参考作品を示すことが重要である。教師が実際に描く教材研究も必須である。しかし、多様な構図の作品を描く時間は限られている。そこで生成AIを活用することで、さまざまな構図や色、タッチの参考作品を短時間で作成し、子どもの創作意欲を引き出すことを可能とした。アボリジナルアート(点描)の実践では、生成AIの活用により子どもの作品に多様性をもたらした。

「生成AIを活用したデジタル教材の開発」

若井 貴裕

生成AIを活用すれば、プログラミングの知識がない一教員でもデジタル教材を作成することができる。その例として、外国語のデジタル教材を中心にいくつかを紹介し、その作成の方法やポイントについてまとめた。デジタル教材が自作できれば、教師の教材研究の幅が飛躍的に広がる。

「みんなで創ろう!ソーシャルスキルモンスター」

村上 諒

生成AIを使ってつくる「ソーシャルスキルモンスター」を活用した教育実践について述べた。望ましい行動を促すキャラクターを作成することで、多様化する子どもたちが積極的に行動するようになることを目指した。具体的な実践例として、教室での課題をキャラクター化し、プロンプトを通じて行動を変容させる方法を紹介する。