最優秀賞
「おすすめの国検索ツールの開発」
若井 貴裕
小学校の外国語科では、おすすめの国を紹介する定番の単元があるが、子どもたちが調べると、とても時間がかかる。そこで、ChatGPTを活用したおすすめの国検索ツールを開発した。ツールを使用すると、子どもたちは自分の紹介したい国を簡単に見つけることができる。開発に至るプロセスも含めて紹介する。
優秀賞
「生成AIに良質なプロンプトを入力することにより、良い小論文を出力させる」
加藤 心
AIにプロンプトを提示しながら、徐々に文章の構成を改良していく授業である。最初のプロンプトは教師が入力するが、AIからは不完全な作品が返ってくる。生徒たちはその不完全な箇所を見抜き、「どのように修正するべきか」「次は、どういうプロンプトを AIに入力するべきか」を考える。これは、生徒がAIに文章を作らせる能力の育成でもあり、小論文作成のための訓練でもある。
「ChatGPTを使ってtanxの加法定理の一般化をさせる」
村瀬 歩
本授業案では、ChatGPTを用いてtanxの加法定理を一般化する方法を探究した。ChatGPTの幅広い知識と自然言語処理能力を用いて、異なる規則や公式間の共通点や相違点を見つける。授業では、パスカルの三角形とtan(2x)からtan(5x)までの公式から規則性を探し出し、それを基にtan(7x)を作成した。この探究学習により生徒の数学理解を深め、AIを教育に活用する新たな可能性を示す。
特別賞
「酒井式ポスター指導法に、ChatGPTを活用する」
上木 信弘
酒井式ポスター指導法は「切り貼り法」を取り入れた独自の手法で、子供たちが自らポスターを制作できる力をつける。本授業案で、「絵にあう言葉を考える段階」で苦労する子供たちに、AIの活用により手助けが可能となる。また、「言葉」をブラッシュアップすることもできる。絵だけでなく言葉も追究させ、1つの題材から様々なテーマについて質の高いポスターを表現できる。
「信用する?しない?チャットGPTを活用した国語授業の挑戦」
坂本 美和子
2023年5月の授業記録である。生徒たちがチャットGPTを個々に使用しだす前に、チャットGPTの信頼度についてクイズ形式で発問し実体験させた。その後、チャットGPTとの付き合い方や効果的な使用方法について、グループで話し合い、アイディアや意見をクラスで共有した。
「生成系AIを活用した校庭の雑草教育の授業」
山内 英嗣
小学校生活科および小学校中学年理科の授業実践である。理科では、「端末で調べるよりも、問題解決をして楽しい授業をすること」が学習指導要領で求められている。そこで、校庭にある雑草の生き残り作戦について、教師が事前に生成系AIで調べた結果により、子どもたちがたくさん見つけられるようなルーブリックを作成した。この実践について、スライド、指示、発問をセットにして提案した。
佳作
「今後の教材研究はチャット GPT を活用することで時短できる」
岩永 将大
教材研究をするとき、チャットGPTを使うようになった。「45分間の授業をどのように組み立てるか?」と問うと、タイムケーブル付きで授業プランを発信してくれる。さらには発問例まで提示する。今までは、書籍や指導書をもとに、時折ネットで検索しながら教材研究を行っていた教師が多いだろう。しかし、チャットGPTなら、そのサイトだけで完結できる。明らかに教材研究の時間を短縮できる。
「Scribble Diffusionを使ってアンパンマンをアンパン以外の食べ物にしてみた」
後藤 隆一
雨の日や、熱中症指数が31を超えた日などは、子供は外遊びができない。そのようなとき、教師が Scribble Diffusion のサイトを使って遊ぶ方法がある。今回は「アンパンマン」の絵をもとにして、それを別の食べ物に「変身」させるというパターンで遊んだ。その様子を書いたものである。
「BingとチャットしながらAIを学ぶ:修学旅行の計画を通じたテキスト生成AIの活用事例」
田口 忠博
本論文では、Microsoft Bingのチャットモードを利用して、テキスト生成AIの活用方法を学習する事例を紹介する。修学旅行でハウステンボスに行く設定で、Bingとチャットしながらテーマパーク内の見どころやコースを調べたり、画像を作成したりする。この過程で、ユーザーはテキスト生成AIの仕組みや可能性について理解を深め、自分の興味や目的に応じてAIを活用するスキルを身につける。
「AIが台頭する未来の働き方を知り、 将来の働き方を考える
未来主義で教える TOSS型キャリア教育の提案」
田中 泰慈
技術革新が進む中、「AIに仕事を奪われる」「将来、今の仕事はなくなる」等の悲観的な未来が注目されている。特に日本は、このような悲観的な見方をする人が世界的にみても多い。現状のままでは、世界で起きている技術革新に日本は後れを取ってしまう。「得意を活かして新しい仕事を生み出す」「AIを活用して仕事を生み出す」という新しい働き方を考えるTOSS型キャリア教育を提案する。
「書く単元における生成AIの授業デザイン」
橋本 諒
生成AIが世界を大きく変えた。教育界でも「生成AIをどのように使うのか、教えるのか」が議論されている。生成AIを当たり前に使う世界で、国語の「書く」という分野でどのように活用していくのか。6年間を見通した授業中の指導計画を提案する。
「ChatGPTと討論する 〜テーマ『給食か、お弁当か』〜」
平野 遼太
ChatGPTを最強の討論者に設定する。テーマは「学校の食事は給食か弁当か」で、ChatGPTの役割は「弁当派」。討論終了後、「給食派」と「弁当派」の優劣判定と、給食派へのアドバイスを求めた。討論の目的は勝敗ではなく、相互理解にあることを最終的なアドバイスで示唆する。このようにして、学級討論会等でも重要なポイントを学ぶ。