AI活用エデュケーション部門
最優秀賞
「誰でも作文が得意になる作文アシストAIツール『作文応援くん』シリーズの開発」
村上 睦
作文が苦手な生徒を支援するため、生成AIを活用した「作文応援くん」シリーズを開発した。初級編「はじめ君」、中級編「なおす君」、上級編「たくみ君」の3種のチャットボットで、生徒の作文力に応じて個別最適な添削・助言を行えるようにした。アカウント不要で誰でも利用できるように、AIボットを埋め込んだ独自サイトを構築したことで、すべての教師の負担軽減と学習者の作文力向上を実現する。
優秀賞
「AI×サポートシートでスタートする特別支援教育」
武井 恒
本実践は、特別支援教育におけるサポートシート作成に生成AIを活用する試みである。サポートシートは子どもの行動の背景を分析し、支援に繋げるツールであるが、背景の把握が困難な場合がある。そこで、生成AIを用いて行動の背景要因を抽出し、シート作成を支援する方法を提案した。実践例として、「口にものを入れてしまう」行動に対し、AIが要因と対応法を示し、シート作成に活用した。AIを支援ツールとすることで、特別支援教育の質の向上に貢献する可能性がある。
「生成AIを活用した跳び箱運動動画比較アプリの開発と実践」
加藤 三紘
小学校体育における跳び箱運動の技能習得を支援するために、生成AIを活用した動画比較アプリを開発し、授業実践を行った。市販のアプリでは機能が多すぎる、操作が難しいなどの課題があったため、児童が直感的に操作でき、自己の動きを可視化して比較できるツールになるように本アプリを作成した。実践の結果、児童が主体的に自分の課題に気づき、改善に向けた学びが促進される様子が確認された。生成AIと体育授業の融合により、児童の気づきと学びを支援する新たな授業の可能性を示す。
特別賞
「AI活用による『考察』力の育成
~ChatGPTとスプレッドシートを活用したフィードバック型支援の実践~」
尾川 智子
小学生が苦手とする「考察」力を育むため、ChatGPTを活用した支援ツール「考察ナビゲートくん」を開発・実践した。児童が書いた考察文にAIが点数とアドバイスを返す仕組みにより、自らの考えを見直し、他者の考察を参考できる。実践したところ、児童が文を見直したり、AIのアドバイスを参考にしたりして、自己調整する姿が見られた。2回目の授業では、多くの児童が考察を書けるようになり、AI活用の有効性が示された。
「(数学)なぜ証明の単元を学ぶのかをAIと探る」
村瀬 歩
GPT「Math Solver」は、繰り返しの対話により、生徒の「なぜその単元を学ぶのか」「なぜその証明を行うのか」などの問いに対して、納得できるまで思考を深めることができる学習支援ツールである。教科書では見えづらい学びの意味や背景を可視化し、個別最適な理解へと導く。
「画像生成AIを活用した創造的写真作成の実践
グローバル化する世界と日本の役割を事例に」
小原 嘉夫
画像生成AIを活用した実践「創造的写真読解モデル」(小原、2023)の創造的写真作成部分の紹介である。小学6年生社会科単元「グローバル化する世界と日本の役割」の授業展開を事例とした。創造的写真読解の正確な読解・吟味的読解を十分行うことにより、創造的読解部分がより深い学びとなる。その可視化として画像AIによる創造的写真作成を行う。
佳作
「AI語り部を活用した防災教育
~伊勢湾台風を次世代へ~」
犬飼 一博/中山 晴代/山口 友喜/木村 真菜/神谷 政人
2025年、伊勢湾台風から66年を迎え、当時を伝える人が減少し、人々の記憶も薄れつつある。過去の記憶や記録を語り継ぐため、チャットGPTを活用した「AI語り部」による伊勢湾台風の伝承システムを制作した。次世代を担う子供たちに向け防災講座などで活用し、災害の伝承と災害への備えを学習する取り組みを進めている。
「生成AIで『女子野球』を盛り上げよう」
太田 政男
人口3,000人の小さな町・川本町が女子野球で町おこしを進める中、小学校の総合的な学習の時間でも、その取り組みをテーマに設定した。生成AIを活用して、応援歌、キャラクター、ニュースレーターを制作し、Instagramでの発信活動に挑戦した。子どもたちはAIと協働しながら、自分たちのアイデアを形にし、地域と主体的につながる経験を重ねていった。町の取り組みに子どもたちが関わる意義深い実践となった。
東部トップツアーズ賞
「部活動指導をAIがサポート『Bukatsudo-AI』
〜指導者の負担軽減と質の高い部活動運営を実現〜」
布施 千佳純
「Bukatsudo-AI」は、部活動指導の効率化を実現するWebアプリである。独自の「診断フロー機能」で、悩みを質問シーケンスで具体化し、専門的アドバイスを即時提供する。顧問教員だけでなく選手も利用可能な設計で、基本的な質問を選手がAIに直接相談できるため、指導者への質問集中を分散できる。部活動指導の「質の向上」と、顧問の「時間的な負担軽減」を同時に実現し、働き方改革に貢献する革新的なAI活用ソリューションである。
次世代AI活用クリエーター部門
最優秀賞
「NOBILVA」
福島 悠起/永田 多朗/森田 浩彰/飯沼 澄麗
NOBILVAの活動は、全国の小学生が抱える「わからない」という学習上の課題に対し、AIを活用した個別最適な支援を提供することである。学びのハードルを下げると同時に、AIの教育的有用性を次世代に実践的に伝えることを目的としている。
優秀賞
Geo Quest(ジオクエスト)
内藤 智翔
小学生の時の「もっと簡単に遊びながら、都道府県や市町村の場所を覚えたい」「自分でゲームを作ってみたい」という思いから、この『Geo Quest(ジオクエスト)』を制作した。
特別賞
該当なし
佳作
「2月のカレンダーを作ろう」
森本 彩生
2月のカレンダーのかわいい絵を、AIと一緒に作ってみようと考えました。2月のお花とイベントを調べて、AIにお願いして絵を作り、何回か変えました。がんばったのは、かわいらしい絵にすることです。
「学級テーマソングを作ろう 」
池上 和奏/浦手 陽詩/梶田 小華/川口 愛莉/岸本 丈/滝本 結生/田中 遥翔/谷峰 真緒/平山 優菜/政岡 緩樹/本森 竣/堀田 和秀
学級の1年間のまとめとして、AIを活用し、学級のキーワードをもとに学級テーマソングを作ることに取り組んだ。AIは、プロンプトの入れ方で作るものが変わる。イメージを持つために、Sunoが作った音楽をはじめに聞いた。そして、「このクラスをイメージする言葉」を発表して、それをもとにプロンプトを作成した。
東部トップツアーズ賞
「ノベルゲーム『秘密の研究室』」
永田 佳凛/馬場崎 日向
ゲームが好きで、「自分たちでも作ってみたい」という想いから、ノベルゲーム制作という形で応募した。シナリオ、画像、音楽など、様々な工程にAIを活用しながら、人間の感性や判断が求められる部分では自分たちで工夫し、修正を加えた。試行錯誤を重ねる中で、AIと人との適切な役割分担や、創作における責任の所在を深く考える機会となった。
エースチャイルド賞
「昔の道具しらべ(かまど)」
高橋 果歩
社会の べんきょうで むかしの どうぐを しらべました。むかしの かまどから みらいの すいはんきまでを しらべました。そして、AIと みらいの すいはんきを つくりました。かんがえたのは、3つの なかから いちばん いいものを えらぶときです。がんばったことは、小学1年生にも わかりやすいように したことです。